「 愛は勝つ 」 第一ヨハネの手紙4:16~21

「愛には恐れがない。完全な愛は恐れを締め出します。」18節

 きざなタイトルです。「愛は勝つ」という題名の歌が一時、はやった時がありました。そのストレートな内容は多くの人に愛されました。
 「信じることさ、最後に愛は必ず勝つ」で締めくくられています。

 雅歌 8:6-7 「 愛は死のように強く、ねたみは墓のように残酷だからです。 そのきらめきは火のきらめき、最もはげしい炎です。 愛は大水も消すことができない、洪水もおぼれさせることができない。」とあります。
 袴田巖(88歳)さんとお姉さんのひで子さん(91歳)の無罪獲得までの58年間の闘いは一重に愛の勝利でした。ひで子さんは、よくぞここまで闘ってこられましたね、との賞賛に、笑いながら「無念に逝った母親への親孝行の為です」と答えています。

 愛を思うとき、語る時、この苦しみなしには考えられません。
「愛はいつも目のまえに、すべての素晴らしい経験のなかに、そして悲劇のなかにさえ存在している。愛は日々の人生に深い意味を与えるものであり、人間を人間たらしめているすべてのものである。愛、神、たましい・・??その名称がなんであれ、それは触知出来るものであり、すべての人の内部に生きているものである。愛は神的な経験であり、聖なるものである。愛は我々の周囲にあるすべての豊かなものであり、手に取りさえすれば我々のものになるものである」(「ライフレッスン」エリザベス キューブラ ロス 81ページ)

 今年のノーベル文学賞に輝いたのは韓国の女性作家ハン・ガンでした。53歳の若さです。韓国民ならずとも世界が驚きました。
 受賞の理由は、今あちらこちらで戦火が止まず苦しみのどん底に追いやられている状況の中で「歴史の傷と人の尊厳、 あらわにした詩的散文、終わらぬ戦争、 最も残酷な場所へ心寄せたい(朝日新聞10月17日 斎藤真理子より)」です。世界の多くの人々に届く文学です。

 心折れるような出来事が継続している中でこそ、身近なところ、日常の中で、愛の実践をしていく私たちでありたいと思います。イエスは「私はすでに世に勝っている」ヨハネ16:33と言われています。