「自由、平等、愛」 ロマ書 5:1~5 金 美優 証
「苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生む」ロマ5:3~5
キリスト教との出会いは、民族学校である建国中学校1年の時、赴任してこられた、クリスチャンの羅先生が創設されたバイブルクラスである。在日韓国キリスト教大阪教会を紹介され、通うようになる。熱心に通うようになったためか、家族は心配し、だんだん反対するようになり、日曜日の朝になると、洗濯や掃除など、家事を言いつけるので、日曜日は普段より早朝に起き、家事を全てやり日曜学校に出かける。キリスト教に新しい風を感じた。後年、それは、キリスト教の言う「自由、平等、愛」からきていたと知る。
大学に入学してからは、比較的、自由に教会へ通うようになり、聖歌隊で歌ったり、伴奏をしたり、修養会、キャラバン隊に参加し、青年達と交流するようになり、とても楽しい青年時代を送る。その後大学を卒業して、淀川キリスト教病院に就職する。その後、見合い結婚する。夫の実家は、義父が、一代で財を成し、ブルジョアと言われていたが、「金で買えないものはない。愛情さえも金で買える」と子ども達の前で豪語する人だった。義父は別の家庭を持ち、そちらで住んでいた。私が結婚した時は、すでに夫の実家は破綻していた。
紆余曲折があり、夫は義父の事業を経営することになった。勿論、社長は義父であり、夫は経営権(決定権)を持つのみであったが、2億の銀行借金を2年で返済した。すると、義父は自分が経営すると言い出したのである。夫と義父は決裂し、夫はいくばくかの資金を貰い、小規模な会社を経営するが、不景気に見舞われ、会社を閉じなければならなくなった。
その時、自殺未遂を起こす。
私は意を決し、夫をマッキントッシュ牧師の在日韓国キリスト教巽教会へ連れて行った。
教会へ通うようになり、夫は洗礼を受けた。「国と力と栄とは汝の物なればなり」、という聖句を愛していた。この後、何とか会社を再建したが、またもや、不景気に襲われ、会社は倒産してしまった。夫は責任感の強い人であったので、これ以上、迷惑はかけられないと、自死の道を選んでしまった。今年の8月、夫の27回忌を迎えた。神の恵みと夫の見守りの内に私の癌が寛解したと感謝するばかりである。