「希望の光~心のバリアフリー 」 ヨハネ福音書1:14~18
「いのちは人間を照らす光であった」4節
メリー・クリスマス!
みなさまにとって今年はどんな年でしたか?
私にとっては、ハン・ガン(韓 江)がノーベル文学賞をとったこと。戦禍が止まない世界でも確実に時代は動いていると感動しました。また彼女の作品の多くを翻訳している斎藤真理子のすごさに感動しつづけていること、谷川俊太郎さんが帰天されたこと、49歳の若い人が帰天したこと、非常戒厳令を出した大統領とそれを阻止した国民の勇気ある行動など、一年の後半部分がかなり濃いです。
さてクリスマスとは何なのでしょうか? 毎年この時期に祝われる赤子の誕生。
その赤子が、人間を照らす光であり、ただそれを年1回祝うことで終わるのではなく、わたしたち一人ひとりもその働きを担わされているのことを思い出す日でもあるのです。それにしても私たちが悩んでいることはたいてい人間関係ではないでしょうか。
エリザベス・キューブラ・ロスの言葉を思い出します。
「最も親密な関係から最も疎遠な関係まで、それぞれの人間関係に共通する分母があなたと言う存在である。1つの人間関係に対するあなたの態度……否定的か肯定的か、好意か増悪かを問わず………すべての人間関係に反映している。それぞれの関係に十分な愛を注ぐか、それとも少ししか注がないか、それを選択するのはあなたなのだ」。 「ライフ・レッスン 」から 85ページ
つまるところ自分との和解が一番たいせつなことでしょう。クリスマスはそのことを思い出させてくれるお祝いなのです。
心のバリアがとれて一番大切なことに気づく時です。 谷川さんの「生きる」という詩をご紹介します。
生きているということ いま生きているということ
鳥はばたくということ 海はとどろくということ
かたつむりははうということ 人は愛するということ
あなたの手のぬくみ いのちということ
いのちを生きる私たちが クリスマスを契機にお互いを照らす光となりましょう。