「 賛美の告白 」 ロマ11:33~36

「ああ、神の富と知恵と知識のなんと深いことか。」 33節

 今日は母の日です。毎年、この日にはキリスト教会で一般的になっている神の呼称「父なる神」について考えてみています。イエスが神を「アバ、父よ」と親しく呼んだこと自体はそれなりに理解できても、今の時代、そうでなくてもキリスト教の家父長制に加担する呼称をそのまま使って良いのか?という疑問が湧いてきます。

 かの有名な賀川豊彦が「酪農賛歌」という歌を1952(昭和27)年に作ったことはあまり知られていません。

     1.黒土よ 緑なす草 身につけて
         地上を飾る日の本に(原詩は野幌に)
         牛追う若人はぐくめよ
         窮乏の底に沈める国興せ
         乳房持つ神 我と共なり

1番から3番までの末尾にこの
     「乳房持つ神 我と共なり」が入っています。

 この歌詞の作曲をされた、ご長男の賀川純基氏によりますと、歌詞のなかにある「乳房持つ神」とは、聖書に中に書かれている乳と蜜の流れる地。という聖句から、恵みを与えることのできる神という意味ではないかとのことです。 酪農学園の中だけで歌われるのではなくもっと広くこの歌が広まって欲しいと思うのは私一人ではないと思います。

 去る、5,6日は大阪教区の定例の総会が開かれました。議長は男性、副議長と書記は女性で数年3役は働いてきましたし、また同じように選ばれました。 過去の論争が激しく、会場が怒号の応酬で騒がしかった時代からみると、「信仰告白」の問題、LGBTqの問題が出ても、良い悪いは別として穏やかに議論が進められたことにホッとしました。

 無条件の愛の神への賛美がこのローマの信徒への手紙だけではなく、他に多く記されているということを心に留めるならば、肝心な神の呼称について、よりセンシティヴな扱いをするべきではないでしょうか?